April 20, 2006

コミュニティビジネス

Photo コミュニティビジネスという言葉よく耳にするようになりました。以前、お話しましたイギリスのSocial Enterpriseに近い意味の言葉だと思います。現在、イギリスにおいて都市・地域の再生において重要な役割を果たしているSocial Enterpriseをケーススタディとして調査研究を行っていますが、その後は日本での調査を行う予定をしており、情報収集をしていたところ、写真の報告書を見つけました。

この報告書は日本におけるコミュニティビジネスの事例を関東経済産業局が、2004年の報告書に続いてまとめたものです。この報告書で紹介された事例を見ていると、その活動分野(農業からITまで)や活動の場所(農村地域から都会まで)と、大変多岐に及んでいることが分かります。このような活動をどのようにして、戦略的に展開するか、また、そのために必要な行政や地域住民、民間企業の役割、そして、相互のパートナーシップによるガバナンスのあり方をこれからも考えていきたいと思います。

コミュニティビジネス活用事例(関東経済産業局)

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January 04, 2006

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その5

Newcastle_city_hall 今まで4回に渡って見てきましたイギリスのソーシャルエンタープライズ(以下、S.E.)の全国調査ですが、今回が最終回となります。過去4回では、S.E.全体の事業規模、組織形態、事業内容、ミッションと見てきましたが、今回はS.E.のターゲットについて見ていきます。

●○ソーシャルエンタープライズのターゲット・人○●

A Survey of Social Enterprises Across the UK’調査結果では、ターゲットとする人の属性として突出した物はありませんが、「障害者」「子供あるいは若者」「高齢者」そして「低所得者」という属性を持つ人をターゲットとするS.E.がそれぞれ10~20%あり、この4つの属性がイギリスにおけるS.E.のターゲットとなっています。

障害者に対して提供されるサービスとしては、就業機会を得るためのサポートが多い傾向にあります。前回のコラムにもありましたが、S.E.に求められるミッションとしては、やはり、就業機会の創出は大きな位置を占めていることが、ここからも読み取ることが出来ます。

これら、障害者に対する雇用を生み出すということに力点を置いたS.E.として、‘Social Firms’と呼ばれるものがあります。この‘Social Firms’が創出する雇用の25%以上は障害者に対するものであることが、そのミッションの中で謳われています。

そして、この‘Social Firms’の雇用を創出する活動を見てみると、普通のビジネスと同様に、ビジネスの市場性を獲得しながら、自らのミッションを如何に達成するのかということに力点が置かれています。このような取り組みはS.E.の基本的な姿勢としては、当たり前のことなのかも知れませんが、実現することは中々難しいのが現状です。

●○ソーシャルエンタープライズのターゲット・地域○●

次に、S.E.のターゲット地域別に見てみると、89%のS.E.が都市部に位置しており、農村部等の都市以外の地域とのはっきりとした格差が見られ
ます。

S.E.とは異なりますが、社会的経済における仕組みである‘Lets’(Local Exchange Trading System)などを代表とする「地域通貨」などの場合は農村部での活用が割合と多く見られますが、今回の調査結果では圧倒的に都市部でのS.E.の活動が際立っています。

この結果から、次の2つのことに気づきます。一つ目は、都市部にはS.E.の活躍が期待される課題が多くあるということ。そして、農村部に比べて資本の論理が強く働く都市部においても、S.E.が成立するということです。

もう一つのS.E.の活動地域に関する調査結果として、S.E.全体の約半分は荒廃地域と呼ばれる課題を多く抱える地域で活動を行っている一方で、もう半分のS.E.は、荒廃地域以外での活動を行っています。

S.E.は行政の行っていた公共サービスの代替的な役割も期待されているなので、荒廃地域における福祉的な視点に立った活動を行うことは想像に難くありませんが、荒廃地域以外での活動も同様に存在するということは、S.E.の潜在的な力を感じさせます。

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December 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その4

Jesmond_dene 日本においても、NPO等がその組織の存在意義を現すときに「ミッション」という言葉を使います。今日はまず、イギリスのソーシャルエンタープライズ(以下、S.E.)の「ミッション」について見ていきます。

●○ソーシャルエンタープライズのミッション○●

‘A Survey of Social Enterprises Across the UK’調査の対象となった95%のS.E.はそのミッションとして、「人を助ける」ということを挙げており、その内の約5分の1のS.E.が「自然環境の保全」も、そのミッションとしています。

「人を助ける」というミッションは、S.E.の定義にも出てくる基本的な内容ですが、「自然環境の保全」については、必ずしもS.E.の基本的なミッションとは言えません。

この「自然環境の保護」の内容を見てみると、自然環境の保全をミッションとしてあげているS.E.の42%が「リサイクル」を挙げており、また、20~30%のS.E.が、「都市環境の改善」「自然環境の保護」「環境に対する意識の向上」をミッションとしています。

これらの「自然環境の保護」をミッションとしているS.E.がどのようなモデルでビジネスとして成立させているのかという記述はありませんが、とても興味深い部分です。

イギリスにおいては、環境をミッションとした有名なS.E.にイングランド南西部のCornwallにある‘Eden Project’というS.E.があります。このプロジェクトは公益信託法人によって運営されており、‘Living Theatre of Plants and People’と呼ばれる多様な自然環境を再現した巨大な2つの温室施設を中心に、様々な教育プログラムやイベントを展開し、年間約200万人のビジターを数えています。

活動の詳細については、上記のホームページを参照して頂くこととし、ここで注目したいことは、このプロジェクトの地域の雇用に対するインパクトです。コラムの冒頭にあります「人を助ける」というミッションを挙げているS.E.の3分の1は「雇用の創出」を挙げていますが、この’Eden Project’では、約600人の常勤スタッフがおり、大きな雇用の機会を創出しています。

600人の内の95%は地元の人で、さらに、その50%は失業中の人でした。雇用者の年齢層も16-77歳と幅広く、また、その職種も小売業、マーケッティング調査、教育関連、ケータリング、そして、園芸関連と、多岐に及んでいます。

「環境の保護」をミッションとして掲げるNPOは、日本を始めとする世界中の地域で数多く散見できるようになりました。しかし、その組織自身をどのようにして維持し、活動を続けていくのかというビジネスモデル構築の課題。そして、さらに一歩進んで、地域に対してどのような社会経済的なインパクトを及ぼし得るのかという課題は、依然として残っていると
思います。

‘Eden Project’: http://www.edenproject.com/

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November 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その3

Huddersfield_media_centre 前回のコラムでは、日英のソーシャルエンタープライズ/ソーシャルマーケットに関する最新の調査におけるサンプリングの方法に着目し、ソーシャルエンタープライズの多様性、可変性をどう捉えるかということについて考えました。

今日は、もう一歩進んで、イギリスにおけるソーシャルエンタープライズの現状について、前出の‘A Survey of Social Enterprises Across the UK’の調査結果を通して考えて行きたいと思います。

●○ソーシャルエンタープライズの事業活動○●

ソーシャルエンタープライズ(以下、S.E.)が、具体的にどのような事業をしているのかということについて‘Trading Activity’という項目において、その調査結果がまとめてあります。

「エンタープライズ」ですので、何らかの事業による収入を得ていることが必要です。特にこの調査の対象は「全収益の25%以上を自らを行う収益によって賄っていること」となっています。

最も多い事業は‘Health & Social Care(33%)’で、その具体的な内容として、高齢者のデイケアやチャイルドケアなどです。そして、その次に多いものとして、‘Community or Social Service(21%)’となっています。

S.E.の社会的な事業目的を大きく2つに分類すると、「雇用の創出」と「公益的サービスやモノの提供」となります。また、これらの事業目的を達成するターゲットで分類すると「限定された地域の人(コミュニティ)」と「地域に限定されない人(コミュニティ)」となります。

上記の2つの事業を行っているS.E.この2つの分類を当てはめると、‘Health & Social Care’については、事業目的、及び、事業ターゲットの両方において、各分類項目にほぼ同数のS.E.が数えられます。

その一方で、‘Community or Social Service’を行っているS.E.については、事業目的では「公益的サービスやモノの提供」が多く、事業ターゲットでは「地域に限定されない人(コミュニティ)」が多くなっています。

この‘Community or Social Service’に分類されるS.E.は、主に、文化・芸術・スポーツなどに関するサービスを提供しており、また、その一部は会員制の組織形態をとっていることもあるということです。

S.E.の事業の成果として、「ある疲弊した地区に雇用を生み出す」ということは、きっと、誰もが納得するところだと思います。しかし、「スポーツ愛好者一般に対して、グラウンドを提供すること」や「芸術が好きな人のために陶芸教室を開くこと」をS.E.の成果とすることに対しては、その意見が分かれるところだと思います。

しかしながら、それは「文化、芸術、スポーツ」をどのように考えるかの違いであると同時に、文化・芸術・スポーツなどをテーマとしたどのような公益的なサービスを提供するのかによるのだと思います。

イギリスにおける「文化、芸術、スポーツ」活動の範囲は広範に及んでおり、例えば、ストリートダンスの指導を通じて若者が麻薬などの犯罪に巻き込まれないようにするための教育プログラムや、レコーディングスタジオを使った職業トレーニングプログラムなどもあります。

●○S.E.の事業内容 トップ5○●

  1.‘Health & Social Care’(33%)
  2.‘Community or Social Service’(21%)
  3.‘Real Estate / Renting’(20%)
  4.‘Education’(15%)
  5.‘Wholesale / Retail’(3%)

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October 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その2

Creative_fm 前回からお伝えいたしておりますイギリスのソーシャルエンタープライズに関する全国調査レポート”A Survey of Social Enterprises Across the UK”の冒頭にこのレポートの目的について、以下のように書かれています。

●○ソーシャルエンタープライズってどんな企業?○●

「この調査はソーシャルエンター・プライズの活動への理解を深めることへの第一歩とすること」

このことから、前回のメルマガ+ブログで比較を試みようとした日本の調査レポート「ソーシャル・マーケットの将来性に関する調査研究報告書」とはその性格を異にしており、この2つのレポートによって日英の状況を比較することが難しいということがお分かり頂けると思います。

日本の調査レポート「ソーシャル・マーケットの将来性に関する調査研究報告書」では、ソーシャルマーケットの将来性を推計することを目的としており、「日本標準産業分類」に準拠し、また、将来の可能性を含んだ現状認識が行われているために、広範囲に及ぶ活動や組織が含まれています。

具体的には、公益法人(学校法人、医療法人等)、共益的団体(協同組合等)、その他団体(自治会、町内会等)そして、営利法人(株式会社、有限会社等)などを調査対象としています。

一方、イギリスの調査レポートは、既存の法的な枠組みで絞込みを行いながら、現在まで余り認識されてこなかったソーシャルエンタープライズの実態を把握することを主眼に調査対象の抽出をしています。どちらの方法が優れているということではなく、その調査の意図によって、これらの調査対象は決められるべきだと思います。

このようなややこしい議論が起きるのも「ソーシャルエンタープライズって何?」 「コミュニティビジネスってどんなビジネス?」ということに対する共通認識 が確立されていないためだと考えます。また、ソーシャルエンタープライズ自身が、今後も、そのような共通認識を醸成することが難しい性格を持った活動なのかもしれません。

それは、裏を返せば、多様な主体が、多様なつながりを持って、多様な活動を展開し、また、日々刻々と変化し続けているということです。コミュニティビジネスの真髄はこの辺りにあるのではないかと思います。

●○現状認識の「第一歩」を始めたイギリス○●

そこで、再びイギリスの全国調査を見てみると、「世の中にはソーシャルエンタープライズに関する様々な定義があるが、大雑把にいえば組織の持つ目的と収益事業で得られた利潤の使い道によってのみ、社会的起業か否かを判断すべきではないか」と述べています。

そして、「この定義によって、ソーシャルエンタープライズの組織形態、法的な位置づけ、組織の大きさ、地理的な条件等々の高度な多様性を許容することができ、ソーシャルエンタープライズだという認識を自らが持っていない組織や政府の定義に合わない組織がいるという現状を、より深く把握することが出来る」としています。

具体的な調査対象の選定に当たっては、”Companies Limited by uarantee”と“Industrial & Provident Societies”に登録されている組織のうち、以下の4点に該当するものとしています。

  ・日常的に収益事業を行っていること
  ・全収益の25%以上を自らを行う収益によって賄っていること
  ・より良い「社会」や「環境」の実現を目的としていること(利益追求ではないということ)
  ・得られた利潤は上記の目的のために再投資されること

この基準が適当か否かという議論は尽きないと思いますが、より現実に即した ソーシャルエンタープライズの現状を認識する「第一歩」のためには有効な選定基準だと思われます。

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September 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その1

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日本ではコミュニティビジネス、あるいは、(ビジネスタイプ)NPOという名前のほうがより一般的だと思いますが、イギリスではソーシャルエンタープライズという呼び方が定着しています。

今年の7月に発表された全国調査の報告書をもとに、イギリスのソーシャルエンタープライズ(コミュニティビジネス)の状況について、しばらく、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

今回取り上げる調査は、”A Survey of Social Enterprises Across the UK”と題されたもので、イギリスの通商産業省(Department of Trade and Industry)の中のSmall Business Serviceと呼ばれる内部機関によって作成されたものです。

イギリスにおけるソーシャルエンタープライズは、長い歴史を持つVoluntary Sectorと呼ばれる慈善団体(日本、アメリカのNPOに相当)やイギリスが発祥の地とされる協同組合などと、深い関係を持っています。
冒頭にある「コミュニティビジネス」イギリスで長い伝統を持つVoluntary Sector、協同組合、そして、ソーシャルエンタープライズと、ソーシャルエコノミーの担い手の名称は多種多様にわたり、少々混乱しています。

この調査で対象としているソーシャルエンタープライズは、法的な組織形態からの規定をしており、”Companies Limited by Guarantee”と“Industrial & Provident Societies”に登録されている組織を取り上げています。

”Companies Limited by Guarantee”とは、「債務保証による有限責任会社」で、主にイギリスの非営利団体や社団が取得する法人格です。現在、イギリスにおける都市再生を担う、”Urban Regeneration Companies”と呼ばれる都市再生会社もこの形態をとっています。

また、“Industrial & Provident Societies”は産業共同組合法により規定された産業協同組合で、組合員やコミュニティのための事業を行うことを目的とし、事業で得られた利益は、更なる事業に投資が行われます。

上記の2つの組織に登録されているソーシャルエンタープライズは約15,000にのぼり、イギリスの全労働人口の1.2%に相当し、また、全産業の収益の0.8%に当たる約180億ポンド(約3.6兆円)を生み出しています。

一方、日本におけるSocial Enterpriseの現況を示す資料として、平成17年に経済産業省から出された「ソーシャル・マーケットの将来性に関する調査研究報告書」によると、ソーシャル・マーケットの生産額は74.6兆円、事業所数は56.3万事業所となっています。

この数字だけで比較すると、日本のソーシャルマーケットの市場規模はイギリスのソーシャルエンタープライズの経済活動よりもはるかに大きい規模なのですが、この74.6兆円の業種別の構成を見てみると、49.0%が医療業、教育が26.7%、社会保険・福祉が12.2%となっており、また、法人種類別の構成では、医療法人が32.9%、財団・財団法人が21.3%、社会福祉法人が14.2%、学校法人が13.0%となっており、イギリスのソーシャルエンタープライズに関する統計数字との比較は難しくなっています。

そして、このような比較を行う際には、「ソーシャルエンタープライズ」や「ソーシャルマーケット」とは何なのか?ということが問題となります。そのあたりについて、イギリスの場合を例にして、次回以降で考えていきたいと思います。 

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May 23, 2005

Ouseburn Valley (newcastle)

Renewal

Exsisting

前回のアートによるイメージ戦略につづき、今回は"Ouseburn Valley"と呼ばれるシティセンターのフリンジエリアの小さな川を中心とした再開発です。再開発といっても、スクラップ&ビルドではなく、既存の建物の改修による地域再生です。このエリアは、工場や倉庫などが集中していたエリアですが産業構造の変化に伴い衰退してしまいました。また、ここに隣接するリバーフロントでは、近年、スクラップ&ビルドによるハイソなエリアとなったこともあり、その波及効果を上手く利用することを意図しながら、再生が進んでいます。また、この再生事業には市役所をはじめ、さらに広域の行政、そして、EUからの資金が使われています。

写真は左側がリニューアル後の建物(オフィスになっています)、そして、右側がまだリニューアルされていない建物です。

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January 30, 2005

New Lanark part3 -Robert Owen-

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この写真(Donnachie, I & Hewitt, G., 1993, p.60, Fig4.1)はこのブログでも度々名前が出てきましたRobert Owenです。貧しい生まれではあったのですが、学校での成績が優秀だったそうです。学校を卒業後は織物商、紳士用服飾品などの卸売業、小売業の経験を積み、その後、製造業へと転進をしていきました。当時、紡績産業のメッカであったマンチェスターの地において、様々な経験と人脈を獲得していきました。そして、New Lanarkの経営者であるDavid Daleの娘、Caroline Daleと出会い、New Lanarkの共同経営者となったわけです。彼が29歳の時のことでした。Robert Owenが経営を引き継いだ当初は向上の労働者である村人との間に信頼関係が築くことが出来ず、また、経済的な利益向上を図ることが必要であったために、労働時間が13時間から14時間に増えたり、飲酒に対しての罰則を強化したり、また、労働の監視なども強めていきました。その後、徐々にではありますが、村民のRobert Owenを受け入れ始めた頃、一つの事件が起こりました。それは、アメリカが綿花の輸出を禁止したために、何ヶ月かの間、工場の機械が止まったのです。この間、経営者であるRobert Owenは労働者に対する給料を1ペンスも差し引くことなく支払い続けたということです。これは、彼の義理の父であり、村民からの信頼の厚かった前経営者であるDavid Daleが1788年の火災で工場が全焼した際にとった行動と同じでした。これを大きな転機として、Robert Owenは村民たちの尊敬と信頼を勝ちとされています。次回以降では、この後、Robert OwenがNew Lanarkで行った社会実験について掲載していきますが、如何にすばらしいアイデアや思想であっても、コミュニティにおける相互の信頼関係無しには何事も始まらなかったということだと思います。

(参考文献)
Donnachie, I & Hewitt, G. (1993) Historic New Lanark, Edinburgh: Edinburgh University Press.

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January 25, 2005

New Lanark part2 -David Dale-

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この写真(Donnachie, I & Hewitt, G., 1993, p.36, Fig3.1)は18世紀後半の紡績工場の内部のイラストです。New Lanarkはそもそも、この地を世界的に有名にしたRobert Owenの義理のお父さんであるDavid Daleによって、1785年に建設されたことに始まります。このイラストの中にも子供の姿が見られますが、当時は産業革命の流れが加速していくという時代背景の中、子供も労働力としての大きな役割を担っていましたが、ここNew lanarkでも、労働力として約400人の孤児たちを寄宿させていました。現代から見ると労働条件は過酷であったことは確かですが、記録によると、New Lanarkにおける衛生面での環境は当時のトップクラスの水準を誇っていたと言われています。例えば、子供たちの服やリネンの交換のサイクルや、寄宿舎の換気、清掃、補修時期などが細かく規定されていました。また、David Daleは工場の中に学校を設立し、さらに、その学校の中には、工場共同体では始めてと言われる6歳児以下の幼児教育が提供されていました。その後、工場の経営は娘婿であるRobert Owenに任され、歴史に残る社会実験が行われることになりますが、工場が出来たときには既に、より良いコミュニティを志向する素地が備わっていたことが伺われます。

(参考文献)
Donnachie, I & Hewitt, G. (1993) Historic New Lanark, Edinburgh: Edinburgh University Press.

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January 20, 2005

New Lanark part1 -intro-

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本当に久しぶりの更新です。前回までの用語集も引き続きアップしていきますが、今回はこの年末にいったNew Lanarkを見て行きたいと思います。ご存知の方もあると思いますが、ここNew Lanarkは世界遺産に登録されている場所なのですが、この場所の価値は、約200年前に「地域通貨」「生協」といった仕組みが導入された、実業家/ユートピアン・ソーシャリストであるRobert Owenの描いた理想のコミュニティだったということと、現在も約200人の人が生活をしているということにあるのだと思います。また、街全体が「コンバージョン+リノベーション」されているという、ヨーロッパでも最大級の再生プロジェクトとしても、非常に興味深い場所です。

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