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December 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その4

Jesmond_dene 日本においても、NPO等がその組織の存在意義を現すときに「ミッション」という言葉を使います。今日はまず、イギリスのソーシャルエンタープライズ(以下、S.E.)の「ミッション」について見ていきます。

●○ソーシャルエンタープライズのミッション○●

‘A Survey of Social Enterprises Across the UK’調査の対象となった95%のS.E.はそのミッションとして、「人を助ける」ということを挙げており、その内の約5分の1のS.E.が「自然環境の保全」も、そのミッションとしています。

「人を助ける」というミッションは、S.E.の定義にも出てくる基本的な内容ですが、「自然環境の保全」については、必ずしもS.E.の基本的なミッションとは言えません。

この「自然環境の保護」の内容を見てみると、自然環境の保全をミッションとしてあげているS.E.の42%が「リサイクル」を挙げており、また、20~30%のS.E.が、「都市環境の改善」「自然環境の保護」「環境に対する意識の向上」をミッションとしています。

これらの「自然環境の保護」をミッションとしているS.E.がどのようなモデルでビジネスとして成立させているのかという記述はありませんが、とても興味深い部分です。

イギリスにおいては、環境をミッションとした有名なS.E.にイングランド南西部のCornwallにある‘Eden Project’というS.E.があります。このプロジェクトは公益信託法人によって運営されており、‘Living Theatre of Plants and People’と呼ばれる多様な自然環境を再現した巨大な2つの温室施設を中心に、様々な教育プログラムやイベントを展開し、年間約200万人のビジターを数えています。

活動の詳細については、上記のホームページを参照して頂くこととし、ここで注目したいことは、このプロジェクトの地域の雇用に対するインパクトです。コラムの冒頭にあります「人を助ける」というミッションを挙げているS.E.の3分の1は「雇用の創出」を挙げていますが、この’Eden Project’では、約600人の常勤スタッフがおり、大きな雇用の機会を創出しています。

600人の内の95%は地元の人で、さらに、その50%は失業中の人でした。雇用者の年齢層も16-77歳と幅広く、また、その職種も小売業、マーケッティング調査、教育関連、ケータリング、そして、園芸関連と、多岐に及んでいます。

「環境の保護」をミッションとして掲げるNPOは、日本を始めとする世界中の地域で数多く散見できるようになりました。しかし、その組織自身をどのようにして維持し、活動を続けていくのかというビジネスモデル構築の課題。そして、さらに一歩進んで、地域に対してどのような社会経済的なインパクトを及ぼし得るのかという課題は、依然として残っていると
思います。

‘Eden Project’: http://www.edenproject.com/

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