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November 04, 2005

イギリスのソーシャルエンタープライズの今 その3

Huddersfield_media_centre 前回のコラムでは、日英のソーシャルエンタープライズ/ソーシャルマーケットに関する最新の調査におけるサンプリングの方法に着目し、ソーシャルエンタープライズの多様性、可変性をどう捉えるかということについて考えました。

今日は、もう一歩進んで、イギリスにおけるソーシャルエンタープライズの現状について、前出の‘A Survey of Social Enterprises Across the UK’の調査結果を通して考えて行きたいと思います。

●○ソーシャルエンタープライズの事業活動○●

ソーシャルエンタープライズ(以下、S.E.)が、具体的にどのような事業をしているのかということについて‘Trading Activity’という項目において、その調査結果がまとめてあります。

「エンタープライズ」ですので、何らかの事業による収入を得ていることが必要です。特にこの調査の対象は「全収益の25%以上を自らを行う収益によって賄っていること」となっています。

最も多い事業は‘Health & Social Care(33%)’で、その具体的な内容として、高齢者のデイケアやチャイルドケアなどです。そして、その次に多いものとして、‘Community or Social Service(21%)’となっています。

S.E.の社会的な事業目的を大きく2つに分類すると、「雇用の創出」と「公益的サービスやモノの提供」となります。また、これらの事業目的を達成するターゲットで分類すると「限定された地域の人(コミュニティ)」と「地域に限定されない人(コミュニティ)」となります。

上記の2つの事業を行っているS.E.この2つの分類を当てはめると、‘Health & Social Care’については、事業目的、及び、事業ターゲットの両方において、各分類項目にほぼ同数のS.E.が数えられます。

その一方で、‘Community or Social Service’を行っているS.E.については、事業目的では「公益的サービスやモノの提供」が多く、事業ターゲットでは「地域に限定されない人(コミュニティ)」が多くなっています。

この‘Community or Social Service’に分類されるS.E.は、主に、文化・芸術・スポーツなどに関するサービスを提供しており、また、その一部は会員制の組織形態をとっていることもあるということです。

S.E.の事業の成果として、「ある疲弊した地区に雇用を生み出す」ということは、きっと、誰もが納得するところだと思います。しかし、「スポーツ愛好者一般に対して、グラウンドを提供すること」や「芸術が好きな人のために陶芸教室を開くこと」をS.E.の成果とすることに対しては、その意見が分かれるところだと思います。

しかしながら、それは「文化、芸術、スポーツ」をどのように考えるかの違いであると同時に、文化・芸術・スポーツなどをテーマとしたどのような公益的なサービスを提供するのかによるのだと思います。

イギリスにおける「文化、芸術、スポーツ」活動の範囲は広範に及んでおり、例えば、ストリートダンスの指導を通じて若者が麻薬などの犯罪に巻き込まれないようにするための教育プログラムや、レコーディングスタジオを使った職業トレーニングプログラムなどもあります。

●○S.E.の事業内容 トップ5○●

  1.‘Health & Social Care’(33%)
  2.‘Community or Social Service’(21%)
  3.‘Real Estate / Renting’(20%)
  4.‘Education’(15%)
  5.‘Wholesale / Retail’(3%)

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